IT導入補助金申請の条件やメリット・デメリットを解説

IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者がITツールを活用して業務の効率化や生産性向上を図る際に活用できる国の支援制度です。

しかし、申請には条件があり、すべての企業が利用できるわけではありません。

本記事では、申請の条件や補助金を活用するメリット・デメリットについて解説します。

IT導入補助金の申請枠とその条件について

IT導入補助金は、業務効率化や制度対応などを目的にITツールを導入する際に利用できる制度です。

以下に主な申請枠の条件を紹介します。

• 通常枠
• インボイス枠（インボイス対応類型）
• セキュリティ対策推進枠
• 複数社連携IT導入枠

通常枠

通常枠は、経理や販売管理、顧客管理などをデジタル化し、生産性向上を図るための申請枠です。

導入費用の1/2〜2/3が補助され、マニュアル作成や保守サポートなども対象経費となります。

導入ツールのプロセス数に応じてA類型・B類型に分類されるため、選定時はプロセスの内容をよく確認しましょう。

インボイス枠（インボイス対応類型）

この枠は、インボイス制度に対応した「会計・決済・受発注」ソフトの導入が対象です。

ソフトウェアだけでなく、パソコンやタブレット、レジなどのハードも補助の対象となります。

特に会計・決済・受発注ソフトのうち2つ以上を満たせば、最大350万円の補助が受けられます。

セキュリティ対策推進枠

この枠では、ウイルス対策ソフトやファイアウォールなど、セキュリティ向上を目的としたITツールが対象です。

補助対象ツールは、事務局に登録されている必要があります。

複数社連携IT導入枠

複数の事業者が連携して共通の課題解決を図る場合に利用できます。

連携体全体で1つの事業計画を作成し、登録済みのITツールを導入することが求められます。

IT導入補助金のメリット

IT導入補助金のメリットは以下のとおりです。

• 規定に沿えば返済不要の制度
• IT導入コストを削減可能

規定に沿えば返済不要の制度

IT補助金を利用するメリットとして、所定の条件を満たせば、返済が不要であることです。

申請が採択されれば、補助金が交付されます。

IT導入コストを削減可能

ITツール導入費の一部に充てられる点は、IT補助金の大きなメリットといって良いと思います。

たとえば、100万円のITツールを導入した場合、通常枠では50万円、デジタル化基盤枠では最大72万円の補助金を得ることができます。

IT導入補助金のデメリット

IT導入補助金には活用前に知っておくべきデメリットがあります。

• 補助金は事後支給である
• 登録ツールのみ対象
• 定期的な実績報告が必要

補助金は事後支給である

IT導入補助金はITツールなどを導入した後に支給されます。

つまり、最初に必要な費用は自己負担となるため、資金に余裕がない企業にとっては負担が大きくなる可能性があります。

登録ツールのみ対象

補助金の対象となるのは、あらかじめ登録されたITツールに限られます。

未登録のツールは対象外となるため、選定時には注意が必要です。

定期的な実績報告が必要

補助金を受けた後も、一定期間は売上などの実績を定期的に報告する必要があります。

報告を怠ると、補助金の返還を求められることもあります。

まとめ

IT導入補助金は、業務の効率化や制度対応に役立つ一方で、申請の手間や要件の把握など注意点もあります。

自社の課題や目的に合った枠を選び、メリットを最大限に活かしてください。

もしIT導入補助金の申請で不明な点があれば、専門家に相談するようにしましょう。